皆さん、こんにちは。「リフォームジャーナリスト」として、生活者の視点に立ち、建設・リフォーム業界の透明化と健全化を訴え続ける、アドカラーズ代表の冨岡龍也です。
2025年5月27日、東京・江戸川区東葛西の工事現場爆発事故。
被災された皆様の心労、そして生活への影響は計り知れないものがあるかと存じます。
この事故に乗じた悪質なリフォーム詐欺への警鐘を鳴らさせていただきましたが、本日はさらに一歩進んで、被災された方々が具体的にどのように修繕を進めていけば良いのか、そして私たちのようなリフォーム会社が、このような非常時にどのような役割を果たすべきなのか、具体的な「目安」や「保険活用の正攻法」について、私の知見と経験を基にお話しさせていただきます。
絶望的な状況の中だからこそ、一筋の光となるような「正しい情報」と「誠実な支援」が必要です。
この記事が、皆様の不安を少しでも和らげ、適切な生活再建への一歩を踏み出すためのお力になれば幸いです。
まず、声を大にして申し上げたいのは、私たちリフォーム・建設業に携わる者は、利益追求が大前提の経済活動であると同時に、人々の生活基盤である「住」を支えるという、極めて公共性の高い社会的使命を帯びているということです。
特に、今回のような事故や災害が発生した際には、その使命感が一層強く問われます。
私たちアドカラーズが、もしこのような事態に直面した地元企業であったならば、あるいは私が一人の職人として被災地に駆けつけるならば、以下の行動を最優先に考えます。
1.安全確保のための応急処置の提供
割れた窓ガラスの撤去や養生(ブルーシート等での保護)、落下しそうな外壁材の応急固定など、二次被害を防ぐための緊急措置を、可能な限り迅速かつ適正な価格(あるいは状況によっては無償に近い形でのボランティアも視野に)で提供します。
2.正確な被害状況の診断と誠実なアドバイス
被災された方々の不安に寄り添いながら、専門家として冷静かつ客観的に家屋の被害状況を診断します。そして、過不足のない、本当に必要な修繕は何かを誠実にお伝えします。
不必要な工事を勧めたり、不安を過剰に煽ったりすることは断じてありません。
3.透明性の高い見積もりと丁寧な説明
修繕費用については、詳細な内訳を明記した見積書を作成し、なぜその費用が必要なのか、どのような材料を使い、どのような工程で工事を行うのかを、専門用語を避け、分かりやすく丁寧に説明します。
私たちアドカラーズの「原価公開・利益開示」の精神は、このような非常時においても「ニゴリのない選択を。」していただくための基本姿勢です。
4.保険申請サポートの倫理的実施
後述しますが、お客様がご自身の保険を適切に活用できるよう、専門家として必要な書類作成のサポート(被害状況報告書、修理見積書など)を誠実に行います。
ただし、あくまでお客様主体であり、不正請求に加担するようなことは一切行いません。
5.地域社会への貢献
個別の修繕だけでなく、地域全体の復旧に向けて、同業他社や行政と連携し、技術力や情報を共有することも視野に入れます。
悪質な業者は、被災者の「弱み」につけ込みますが、真に倫理観を持つリフォーム会社は、被災者の「支え」となるべく行動します。この違いを見極めていただくことが非常に重要です。
「割れた窓ガラスの修理にいくらかかるのか?」
「壁のひび割れ補修の相場は?」
被災された方々が最も気になる点の一つでしょう。
しかし、残念ながら
「〇〇の修理は一律△△円です」
といった明確な定価を示すことは、リフォーム工事の特性上、非常に困難です。
なぜなら、費用は様々な要因によって大きく変動するからです。
【費用を左右する主な要因】
1.被害の範囲と程度
窓ガラス1枚の破損と、サッシごと歪んでしまった場合では費用は大きく異なります。
壁の表面的なひび割れと、内部構造にまで影響が及んでいる場合も同様です。
2.使用する材料のグレード
例えば窓ガラス一つとっても、一般的な単板ガラスか、防犯ガラスか、断熱性の高い複層ガラスかによって価格は変わります。
3.工事の難易度・工期
高所作業が必要か、特殊な工具や技術が必要か、作業に何日かかるかなどによって人件費も変動します。
4.既存の建物の状況
建物の構造や築年数、下地の状態などによっても、必要な処理や手間が変わってきます。
では、どうすれば不当な高額請求を避けられるのでしょうか?
1.詳細な項目立ての見積書を求める
最も重要なのは、「工事一式 ○○円」といった大雑把な見積もりではなく、「ガラス代」「サッシ代」「コーキング費用」「解体・撤去費用」「廃材処理費」「足場代(必要な場合)」「諸経費」「人件費(人工数)」など、項目ごとに数量、単価、金額が明記された詳細な見積書を必ず複数の業者から取得することです。
2.「なぜこの金額なのか?」をしっかり聞く
・reputableな業者であれば、各項目の根拠をきちんと説明してくれます。曖昧な説明しかできない、質問をはぐらかすような業者は要注意です。
3.複数の見積もりを比較検討する
最低でも2~3社から見積もりを取り、総額だけでなく、各項目の単価や工事内容、使用材料などを比較しましょう。
極端に安い見積もりも、手抜き工事や後からの追加請求のリスクがあるため注意が必要です。
4.地元の信頼できる業者に相談する
地元で長年営業しており、評判の良い業者であれば、地域の特性や相場観を把握している可能性が高いです。
緊急の応急処置と、本格的な復旧工事とでは、見積もりの取り方も変わってくるかもしれませんが、いかなる場合も「書面で見積もりを取り、内容をしっかり確認する」という基本は忘れないでください。
火災保険や地震保険、あるいは今回のような爆発事故に対応する家財保険などに加入している場合、修繕費用が保険でカバーされる可能性があります。
しかし、その手続きは複雑で、悪質業者が介入する隙も生まれやすいのです。
【保険活用の基本ステップ(正攻法)】
1.保険会社へ事故の連絡(契約者本人が行う)
まずはご自身が加入している保険証券を確認し、保険会社または代理店に事故発生の連絡を入れ、被害状況を伝え、必要な手続き(保険金請求書類の取り寄せなど)を確認します。
2.被害状況の証拠保全
修理を始める前に、被害箇所の写真を様々な角度から撮影しておきましょう。
保険金請求の際に重要な証拠となります。可能であれば、動画も有効です。
3.保険会社による損害鑑定(鑑定人が派遣される場合)
被害の規模によっては、保険会社から損害保険登録鑑定人が派遣され、被害状況の調査と損害額の評価が行われます。
4.修理業者からの見積もり取得
保険会社に提出するための正式な修理見積書を、信頼できるリフォーム業者に作成してもらいます。
この見積書が、保険金支払額の算定基礎の一つとなります。
5.保険金請求書類の提出
保険会社から送られてきた請求書類に必要事項を記入し、修理見積書、被害写真などの必要書類を添えて提出します。
6.保険金の査定・支払い
保険会社が提出された書類や鑑定結果を基に査定を行い、支払われる保険金額が決定され、契約者に支払われます。
【悪質な業者による保険金詐欺の典型的な手口と注意点】
1.「自己負担ゼロで修理します」「保険金が下りるようにうまくやります」
これらは非常に危険な誘い文句です。
保険金の範囲内でしか修理しない(手抜き工事)、あるいは不必要に高額な請求をして差額を搾取する可能性があります。
2.保険金請求代行を強引に勧める・白紙委任状を要求する
保険金請求はあくまで契約者本人が主体です。業者に丸投げしたり、安易に白紙の委任状にサインしたりすると、知らないうちに不正請求に加担させられたり、保険金を業者に直接振り込ませて持ち逃げされたりするリスクがあります。
3.保険会社への報告前に工事契約を急がせる
保険適用範囲や自己負担額が確定する前に高額な工事契約を結ばせるのは、後々のトラブルの元です。
4.信頼できるリフォーム業者は、保険活用において以下のサポートをしてくれます
・被害状況を正確に把握し、写真撮影や詳細な被害報告書の作成を支援する。
・保険会社に提出するための、工事内容と費用内訳が明瞭な修理見積書を作成する。
・保険会社の鑑定人が調査に来る際に立ち会い、専門的な見地から被害状況を説明する。
5.契約前に必ず確認すべきリフォーム業者のチェックポイント
・建設業許可(500万円以上の工事の場合)や、必要な資格(建築士、施工管理技士など)を保有しているか。
・会社の実績、施工事例、所在地が明確か。
・リフォーム瑕疵保険への加入事業者か(任意ですが、安心の一つの目安)。
・見積書や契約書の内容が明確で、質問に対して誠実に回答してくれるか。
・地元での評判はどうか。
江戸川区の爆発事故は、多くの人々に衝撃と不安を与えました。
しかし、このような困難な状況だからこそ、私たちは冷静さを失わず、正しい情報を基に行動することが求められます。
私たちアドカラーズは埼玉県に拠点を置く会社ですが、リフォームジャーナリストとしての私の使命は、地域を問わず、住まいに関する有益な情報を発信し、消費者の皆様が不利益を被ることなく、安心して質の高いリフォームを実現できるようサポートすることです。
今回の事故で被害に遭われた皆様が、一日も早く平穏な日常を取り戻し、そして二次被害に遭うことなく、適正な価格で確かな修繕が行われることを心から願っております。
そのためには、被災された方ご自身が「知る」こと、そして私たちのような倫理観を持った事業者が「誠実に応える」ことが不可欠です。
どんな小さな疑問や不安でも、決して一人で抱え込まず、信頼できる専門家や公的機関に相談してください。
そして、私たち業界全体が、この困難な時期にこそ真価を発揮し、社会からの信頼に応えられるよう、自らを律し、行動していかなければならないと強く感じています。
冨岡龍也 アドカラーズ株式会社 代表取締役 リフォームジャーナリスト「ドラゴン冨岡 見積もりおじさん」
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