皆さん、こんにちは。「リフォームジャーナリスト」として、業界の裏も表も、そして未来も見据えて情報を発信し続ける、アドカラーズ代表の冨岡龍也です。
「リフォーム業界って、これからどうなるの?」
「なんだか問題も多そうだけど、将来性はあるの?」
有難いことに、SNSや講演会などで、こうした質問をいただく機会が非常に増えました。
多くの人が、自らの暮らしを豊かにするリフォームに関心を持つ一方で、業界に根強く残る不透明さやネガティブなイメージに、漠然とした不安を感じていることの表れでしょう。
そこで今回は、常に現場の最前線に立ち、業界の酸いも甘いも見てきた私の目線から、
「リフォーム業界の現状、将来性、そして乗り越えるべき課題」
について、本音で、そして熱く語らせていただきたいと思います。
まず、現在のリフォーム業界を語る上で、大きな「光」と根深い「影」の二つの側面を直視する必要があります。
【根深い「影」:信頼を蝕む業界の悪習と構造問題】
私が「リフォームジャーナリスト」として活動する最大の理由でもある、業界の「影」の部分。これは、残念ながら依然として深刻です。
【後を絶たない悪質業者と詐欺行為】
災害時のみならず、平時においても「点検商法」や「高額請求」、「手抜き工事」といった詐欺まがいの行為が横行しています。
これにより、「リフォーム=怪しい、騙されるかも」という負のイメージが定着してしまっています。
【不透明な価格設定】
多くの業者が使う「一式」という見積もり。
これでは、何にいくらかかっているのか全く分からず、業者の言い値になりがちです。この情報の不透明さが、消費者の不信感の温床となっています。
【低い参入障壁】
500万円未満の工事に建設業許可が不要なため、知識や技術、そして何より倫理観に欠ける業者が容易に参入できてしまう。
これが、業界全体の質の低下と信頼失墜を招いています。
【深刻な職人不足と高齢化】
「きつい・汚い・危険」のイメージに加え、賃金や社会保障の問題から若手のなり手が激減しています。
このままでは、日本の住宅品質を支えてきた貴重な技術が失われ、工事をしたくてもできない「リフォーム難民」が生まれる未来も、そう遠くありません。
【大きな「光」:成熟社会が生み出す巨大な市場】
一方で、業界には計り知れないほどの明るい未来、すなわち「光」も満ちています。
日本には、約6240万戸もの住宅ストックが存在し、その多くが高度経済成長期に建てられ、今まさにリフォーム・リノベーションの時期を迎えています。
新築住宅の着工戸数が減少傾向にある中、これからは「今ある家を、いかに長く、快適に、安全に使い続けるか」というストック活用型社会へと完全にシフトしていきます。
つまり、私たちの仕事は「無くてはならない」社会インフラそのものなのです。
お客様の意識も、「ただ古くなったものを新しくする」という単純な修繕から、「より快適で付加価値の高い暮らしを実現する」ための投資へと変化しています。
このニーズの多様化・高度化こそが、私たちの成長の源泉です。
この巨大な市場を背景に、リフォーム業界にはどのような未来が待っているのでしょうか?私は、計り知れない可能性があると確信しています。
【性能向上リフォームの本格化】
これからのリフォームの主役は、間違いなく「性能向上」です。
【断熱・省エネ】
エネルギー価格の高騰を受け、光熱費を削減し、夏は涼しく冬は暖かい快適な暮らしを実現する高断熱リフォームの需要は爆発的に増加します。
国や自治体の補助金制度も、この流れを強力に後押ししています。
【耐震】
地震大国である日本において、命と財産を守る耐震リフォームは永遠のテーマです。
特に旧耐震基準の木造住宅など、潜在的な需要は計り知れません。
【バリアフリー】
超高齢社会を迎え、誰もが安心して暮らせるための手すり設置や段差解消といったバリアフリー化は、今後ますます重要になります。
【テクノロジー活用(DX)による業界変革】
旧態依然としたイメージの強いこの業界にも、テクノロジーの波が押し寄せています。
ドローンによる屋根点検は、安全かつ正確な診断を可能にします。
VR(仮想現実)を使えば、お客様はリフォーム後の空間をリアルに体験でき、完成後の「イメージと違う」といったミスマッチを防げます。
顧客管理や工程管理にITツールを導入すれば、生産性は飛躍的に向上し、お客様との情報共有もスムーズになります。
こうしたDX(デジタルトランスフォーメーション)は、業界の不透明さを払拭し、お客様に新たな価値を提供する強力な武器となるでしょう。
【多様化するライフスタイルへの対応】
働き方改革やコロナ禍を経て、人々の暮らし方は大きく変わりました。
在宅ワーク用の書斎スペースの確保、趣味を楽しむための部屋づくり、ペットと快適に暮らすためのリフォームなど、個々のライフスタイルに合わせた提案力が、これまで以上に求められます。
しかし、この輝かしい未来を手にするためには、先ほど述べた業界の「影」、すなわち根深い課題を本気で解決しなければなりません。
【最重要課題:職人の育成と地位向上】
技術力のある職人がいなければ、どんなに素晴らしいプランも絵に描いた餅です。
職人不足の解決なくして、業界の未来はありません。
そのためには、適正な賃金と安定した雇用の確保はもちろんのこと、彼らの技術と経験が正当に評価され、尊敬される社会を築く必要があります。
「職人」という仕事が、子供たちの憧れの職業の一つになる。そんな業界に変えていかなければ、未来はないのです。
【「価格」競争から「価値」競争への転換】
安さだけを追求する価格競争は、必ず品質の低下を招きます。
私たち業者は、目先の安さではなく、「どれだけお客様の暮らしを豊かにできるか」「どれだけ安全で長持ちする住まいを提供できるか」という「価値」で勝負する姿勢へと、意識を転換しなければなりません。
【業界全体の透明化への挑戦】
そして、私のライフワークでもある「透明性の追求」。
アドカラーズが実践する「原価・利益の公開」は、その一つの挑戦です。
全ての業者がここまでやる必要はないかもしれませんが、少なくともお客様が納得できるレベルまで、価格の根拠を明瞭に説明する責任が、私たちプロにはあるはずです。
では、これらの課題を克服し、輝かしい未来を築くために、私たちは何をすべきか。最後に、私の提言を述べさせていただきます。
①消費者の皆様へ:賢い消費者となり、業者を育ててください
価格だけで業者を選ばないでください。複数の業者と会い、提案内容、担当者の人柄、そして何より「誠実さ」を見極めてください。
詳細な見積もりを要求し、納得いくまで質問してください。
皆様のその厳しい目が、悪質な業者を淘汰し、真面目な業者を育てるのです。
②同業者の皆様へ:共に業界の信頼を取り戻しましょう
目先の利益のための安売り競争から脱却し、技術と提案力、そして誠実さで競い合いましょう。
職人を大切にし、未来への投資として若手を育てましょう。
そして、業界のイメージを向上させるために、一社一社が透明性の高い情報発信に努めましょう。
③そして私たちアドカラーズは
「正直者が馬鹿を見ない世の中」の実現に向け、これからも業界の先陣を切って「透明性」を追求し続けます。
私たちの挑戦が、業界全体のスタンダードを変える一石となることを信じて、行動し続けます。
リフォーム業界は、大きな課題を抱えながらも、それ以上に大きな可能性と社会的使命を秘めた、非常にやりがいのある世界です。
「影」の部分から目を背けず、業界全体でその解決に取り組み、一つ一つの仕事に誠実に向き合っていけば、必ずや消費者の皆様からの信頼を取り戻し、輝かしい未来を築くことができるはずです。
私は、この業界の未来を信じています。そして、その未来を切り拓くために、これからもリフォームジャーナリストとして、皆様に有益な情報を発信し続けてまいります。
冨岡龍也 アドカラーズ株式会社 代表取締役 リフォームジャーナリスト
「ドラゴン冨岡 見積もりおじさん」
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